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不妊治療

不妊治療

なかなか妊娠しないと感じたら

近年、妊娠を希望しているのになかなか授からないと悩む方が増えています。
現在では、不妊は決して珍しいことではなく、多くのご夫婦が向き合う身近な問題となっています。

なぜ不妊が増えているのでしょうか?

背景にはさまざまな社会的要因があります。

  • 晩婚化
  • 出産年齢の上昇
  • 働き方やライフスタイルの変化
  • ストレスや睡眠不足
  • 婦人科疾患の増加

特に大きな影響を与えるのが「年齢」です。女性は年齢とともに妊娠率が徐々に低下します。これは主に、卵子の数と質が加齢とともに低下するためです。

卵巣機能の低下とは?

女性の卵子は、生まれた時から数が決まっています。年齢とともに卵子は減少し、質も変化していきます。

結果、

  • 排卵しにくくなる
  • 受精しにくくなる
  • 胚の発育が不安定になる
  • 流産率が上昇する

などが起こりやすくなります。

特に35歳頃から妊娠率は徐々に低下し、40歳以降ではさらに大きく低下するといわれています。

実は「子宮内膜の老化」も関係しています

不妊というと卵子の問題が注目されがちですが、最近では子宮内膜の状態も非常に重要と考えられています。 受精卵は、子宮内膜に着床して初めて妊娠が成立します。

しかし、加齢や慢性炎症、ホルモン環境の変化によって、子宮内膜にも次のような変化が起こることがあります。

  • 着床しにくくなる
  • 炎症が続く
  • 血流が低下する
  • 子宮内膜の機能が低下する

つまり、不妊は「卵子だけの問題」ではなく、以下のようなさまざまな要因が関わる病気です。

  • 卵巣機能
  • 精子
  • 子宮内膜
  • ホルモン環境
  • 全身状態

不妊症とは?

一般的には、「避妊をせずに一定期間妊娠を希望しているにもかかわらず、妊娠に至らない状態」を不妊症といいます。年齢によっては、早めの検査や治療開始が重要になることがあります。

不妊の原因はひとつではありません

不妊症は、女性側だけでなく男性側にも原因がみられることがあります。

女性側の原因
  • 排卵障害
  • 加齢による卵巣機能低下
  • 子宮内膜症
  • 卵管障害
  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜の着床障害
男性側の原因
  • 精子数低下
  • 精子運動率低下
  • 精子形成障害

実際には、複数の要因が重なっていることも少なくありません。

不妊治療にはどんな方法がありますか?

治療は年齢や原因、妊娠希望時期によって選択します。

タイミング療法

排卵日に合わせて妊娠しやすい時期を確認する方法です。

  • 超音波検査
  • ホルモン検査

などを用いて排卵時期を予測します

人工授精(AIH)

洗浄・調整した精子を子宮内に注入する方法です。

  • 精子運動率低下
  • 性交障害
  • 原因不明不妊

などで行われます。

体外受精(IVF)とは?

体外受精は、『卵子を体外に取り出し』、『精子と受精させ』、『発育した受精卵(胚)を子宮へ戻す』 治療です。

現在では、不妊治療の中でも重要な治療法のひとつとなっています。

体外受精の流れ
  1. 卵巣刺激
    注射や内服薬を用いて卵胞を育てます。
  2. 採卵
    腟から細い針を用いて卵子を採取します。
  3. 受精
    卵子と精子を受精させます。必要に応じて「顕微授精」を行うこともあります。
  4. 胚培養
    受精卵を数日間培養します。
  5. 胚移植
    発育した胚を子宮内へ戻します。

体外受精は「最後の手段」ではありません

以前は「特別な治療」というイメージがありましたが、現在では一般的な治療となっています。

特に、以下の場合早期に体外受精を検討した方がよい場合もあります。

  • 年齢因子
  • 卵管障害
  • 男性不妊
  • 子宮内膜症 など

不妊治療で大切なこと

不妊治療には、以下のような負担がが伴うことがあります。

  • 身体的負担
  • 精神的負担
  • 時間的負担
  • 経済的負担

そのため当院では、患者様の負担をなるべく軽減できるよう以下を大切にしています。

  1. わかりやすい説明
  2. 一人ひとりに合った治療
  3. 無理のない治療計画
  4. ご夫婦双方へのサポート
一人で悩まず、ご相談ください
「まだ病院に行くほどではないかも」
「年齢的に気になる」
「検査だけでも受けてみたい」
そのような段階でも大丈夫です。
不妊治療は、早めに現在の状態を知ることが大切です。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください

当院での基礎研究(詳細は業績参照

当院では、年齢に伴って子宮内膜の機能がどのように変化し、不妊や着床障害につながるのかを明らかにするため、動物実験モデルを用いた基礎研究を行っています。

従来、不妊の主な原因として卵巣機能や卵子の変化が注目されてきました。しかし近年では、受精卵を受け入れる子宮内膜の状態も、妊娠成立に極めて重要であることがわかってきています。

特に、年齢に伴う子宮内膜では、慢性的な炎症、組織の線維化、細胞機能の変化など、さまざまな分子レベルの変化が生じることが明らかになってきました。

当院では、こうした「子宮内膜機能の変化」に着目し、動物モデルを用いて、着床能や脱落膜化能(子宮内膜の妊娠しやすさ)の低下に関与する分子機構を解析しています。

その中で、若齢群と年齢変化モデル群の子宮内膜を比較し、特徴的な遺伝子発現変化やシグナル伝達異常の解析を進めています。

さらに、細胞機能変化に関連する分子に注目し、子宮内膜微小環境の変化が妊娠成立へ与える影響について検討しています。

これらの研究は、単に「年齢による妊娠率低下」を説明するだけでなく、

  • 着床障害の新たな診断法
  • 子宮内膜機能を評価するバイオマーカー
  • 子宮内膜機能を標的とした新規治療
  • 個別化不妊治療

などにつながる可能性があります。

基礎研究によって得られた知見を臨床へ還元し、年齢に伴う妊娠環境の変化に対する新たな理解と治療戦略の確立を目指しています。

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